無題

解剖実習を行っている。
当然のことだが、ご遺体というだけあって、自分の目の前にある作業台に横たわっている方は亡くなっている。そして自分は、献体してくださった方の大事な身体を傷つけながら勉強をしている。しかし、故人に関する情報は学生には、少なくとも死因以外は一切知る由もない。

昨日関西方面で起きた列車事故で多くの方が命を落とした。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050426ic05.htm
を見ると、簡単ではあるものの、亡くなられた方の日頃の姿が描写されている。
人生の、命の重さについてあれこれと考えてしまう。

自分は、自分の目の前のご遺体には数年前までは命が宿っていたのだ、という至極当たり前のことをなんだか忘れかけてしまっているような気がする。(いや、もちろん忘れちゃいないけどね。学校にある慰霊碑にも時々手を合わせています。)

命は重いのだ。