8月20日:さらば、さらば!

起きたのは9時過ぎだった。昨日の夜買っておいたアロエヨーグルトと野菜ジュースをお腹に入れながらどこを走ろうか考えた。自分が今いる佐久から群馬に入り上野村の方を通って千葉に帰るか、再度北上して松本から美ヶ原高原へ行くべきか、この2つで迷った。結局美ヶ原に行くことにした。体力的にきつくなるけど、せっかく長野に来ているのだから、やはり美ヶ原がいいと思ったわけだ。
佐久ICから高速に入る。途中、昨日大学の後輩と待ち合わせた更埴IC近くの屋代駅へ向かい、駅の写真を撮って電車の切符を記念に買った。駅舎や電車はその地域性を反映しているので、どうしてももう一度この駅を訪れたかったわけだ。もう2度と訪れることのないであろう屋代駅。さようなら。でも、俺がここに住む後輩と付き合ったりしちゃったらまたくるかもしれないけれども(笑)5歳差か・・・。悪くない。しかし向こうからすれば俺は問題外なのが悲しい。
さて、更埴ICから姨捨SAへ移動し小休憩。辺りの景色をバックに「更埴IC」という記載の入った通行券をデジカメで撮影。これも旅の証だ。また、この頃になると走り出して1時間になるのでお腹も空いてきた。今回の旅では蕎麦ばかり食べていたのでミニカレーを食べた。300円也。お腹もいっぱいになったので、あとは松本を目指すだけだ。
松本の市街地に入ってからはちょっと道に迷ってしまった。パルコ(松本にもパルコはあるのだ!)のある通りを走っていたら急に道が左右に分かれ、でも、「美ヶ原高原」という標識はどこにもない。とりあえず右に曲がってから近くのコンビニに入って道を聞き、目的地を目指した。しばらく走ると雨が降ってきた。ビーナスラインの入り口にあった薬局(マツキヨ系列らしい)の駐車場で雨用のズボンを履き、雨対策もばっちり。で、山を登り始める。ビーナスラインに入ってすぐに何人かのバイク乗りとすれ違った。なんだかうれしかった。上に登るほど涼しくなってきて走りやすくなってくる。心配されていた雨もどうやらどこかに行ってしまい一安心。あとは景色を横目にひたすら走るだけだ。バスが前方に走っていると渋滞が発生して走りにくかったけれども、見晴らしのよい直線で一気に抜いてはマイペースで走った。また、すれ違うバイク乗りに手をあげて挨拶をすると向こうも挨拶を仕返してくれるのが心温まる。若干23歳の若造が50過ぎのおぢさんと挨拶を交わすのである。いい話ではないか。一期一会。彼らが無事に家にたどり着きますように。湿原や頂上付近の展望所で何度も休憩を取りながら、1日目に走った白樺湖を通り、蓼科にたどり着いた。時刻は午後4時前。お腹も空いてきたので1日目の夜に寄ったhttp://www.suwa-net.com/mitukoma/index.htmlでご飯を食べた。帰り際マスターと二言三言会話を交わして「またいつか来ますね」「お気をつけて」ということでお別れ。
諏訪ICから入ってひたすら東京へ。3日続けて走っていると、しかも高速道路ゆえに、睡魔が俺を襲う。すぐに近くのSAで降りて眠気覚ましのドリンクを購入し飲む。で、再びバイクに乗る。眠いまま走っていると突然目の前に虹が現れた。虹の足元まではっきり見えた。でも眠気はあまり消えなかった。八ヶ岳SAでバイクを停めるとバイクにまたがったまま後ろに積んである荷物を枕代わりに30分ほど仮眠した。ビックスクーターだからこそ出来る仮眠方法なのだ。ほどよく眠気が覚めたところで走り出す。甲府辺りで(おそらく富士山)が見えた。どこかのJCTでは南アルプス市方面へ走っている高速道路とつながっていたのでそれに乗ってみた。静岡方面から東京に向かってもいいかもと思ったわけだ。しかし、この道路はすぐに終わってしまうことがわかった。しかも南アルプス市静岡県ではなく山梨県であった。静岡は遠いのだ。仕方ないので白根で降りてUターン。料金所のおばさんに「道間違えたんでUターンしますわ」と言ったら「言ってくれれば(お金払わなくても)大丈夫だったのにぃ〜」と言われた・・・。
まぁそんなこんなで後はひたすら走った。談合坂SAで給油した後は小仏トンネルまでの17キロの渋滞をすり抜け続け、首都高に入ってレインボーブリッジを通り、その後30分ほどして家にたどり着いた。いやー、疲れた。
でも、本当にすばらしい旅だった。駐車場に停めたバイクに思わず抱きついてしまった。

今度はどこへ行こうかな。
とりあえず大学在学中に日本全国を走ってみようと思った。